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学力よりも重要!非認知能力こそが「人生を豊かにする力」

皆様は「非認知能力」という言葉をご存じでしょうか?

テストなどで点数化できない能力とされるそれは、近年教育学会より注目されている能力の一つです。

私自身、娘には「人を思いやれる優しい人になってほしい」と思っていますが、調べてみるとそういった能力のほとんどは「非認知能力」を育むことが大切であることがわかりました。

今回は子どもたちの人生に大きな影響を与える能力について書いてみました。

是非ご一読いただければ幸いです。

目次

「非認知能力」とはなにか

それではさっそく、「非認知能力」がどのようなものかを詳しく見ていきましょう。

①「非認知能力」とは

皆様は「非認知能力」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。近年、教育業界で注目を集めているそれは、「テストなどで点数化することのできない、子どもの人生を豊かにする力」とされています。

そして、これを育てるためには幼少期から学童期にかけての取り組みが重要であるとも言われています。

そもそも、人の能力は「認知能力」と「非認知能力」の2つに分けて考えられています。

「認知能力」とはテストの点数や通知表の内容、IQなど、点数で数値化される知的能力のことを指します。今までの教育では、子どもの成長段階を把握するために主にこの数値が使用されていました。

それに対して、「非認知能力」とは、認知能力以外の能力全般を指します。テストなどで数値化することの難しい内面的な能力。例えば「目標を決めて取り組む」「意欲を見せる」「新しい発想をする」「周りの人と円滑なコミュニケーションをとる」といった力のことです。社会に出てから必須と言われるスキルのほとんどがこの「非認知能力」と言われており、近年では子どもの人生を豊かにするためにとても大切な能力であるとされています。

②非認知能力の種類

非認知能力は研究者によって様々な定義がされていますが、その一例を紹介します。

非認知能力具体的な能力
自己認識自信、自己肯定感
意欲学習意欲、やる気、集中力
忍耐力ねばり強く頑張る力
セルフコントロール自制心、理性、精神力
メタ認知客観的思考力、判断力、行動力
社会的能力リーダーシップ、協調性、思いやり
対応力応用力、楽観性、失敗から学ぶ力
クリエイティビティ創造力、工夫をする力
(注)Zhou, Kai. “Non-cognitive skills: definitions, measurement and malleability. Paper commissioned for the Global Education Monitoring Report 2016, Education for people and planet: Creating sustainable futures for all.” Chapter 13 (2016): 242-253.

このようにしてみると、どれもわが子に身に着けてほしいと感じるものばかりではないでしょうか。特に私は、社会に出てから必要とされるスキルのほとんどが「非認知能力」であるように感じています。

③今、「非認知能力」が注目されている訳

こうした「非認知能力」ですが、世界から注目されるようになる背景があります。

1960年代にアメリカで行われた「ペリー就学前プロジェクト」(*2)。これは経済的に恵まれない3歳〜4歳のアフリカ系アメリカ人の子どもたちを対象に行われた教育プログラムに関する研究です。

子どもたちはランダムにこのプログラムを受けるグループと受けないグループに分けられ、プログラムを受けたグループの子どもたちには、午前中は「子どもたちが主体となる学び方(アクティブ・ラーニング)」による学校教育が施されたほか、週1回先生が家庭訪問をして家庭での親子の関わり方についての指導にあたりました。

その後40年にわたる追跡調査で、この「ペリー就学前プロジェクト」を受けたグループの子どもたちは、この教育を受けていないグループの子どもたちと比較して認知能力には大きな差がないものの、学習成績が高く、より安定した社会生活を送り、犯罪率や生活保護受給率もより低いということが分かったのです(*3,*4)。

embot|非認知能力とは?幼児期から学童期に育てたい「人生を豊かにする力」

こういった研究から、「認知能力」以外の能力が人生に対して大きな影響を及ぼすのではないかと考えられるようになりました。そしてそれこそが、テストなどで測ることのできない「非認知能力」です。

現在の子どもたちが大人になるころには、今まで以上に国際化が進み多様性の富んだ社会になっているはずです。その中で多くのストレスや変化に対応するためには、今まで以上に「非認知能力」を育む必要があるのです。

「非認知能力」は幼児期から学童期に育まれる!

ここまで「非認知能力」の重要性について説明をさせていただきました。それでは一体、子どもはいつ頃「非認知能力」を育んでいるのでしょうか。

一説によると幼児期から学童期の期間であるとされています。その理由は大きく分けて2つあります。

一つは幼少期のアクティビティや遊びは、「非認知機能」を伸ばすことに適していることです。「非認知機能」は日々の遊びやアクティビティの中で楽しみながら伸びていくものです。幼稚園や小学校、友達や大人との関わりの中で、様々な活動を通じて能力を伸ばしていくでしょう。

もう一つは、幼児期から学童期は新しいことにチャレンジする力や、新しいことを吸収する力が強いことが挙げられます。様々な経験から楽しみを見つけだし、「非認知能力」を伸ばしていくのに、子どもの時期は最適であると言えます。

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「非認知能力」を育てる具体的な方法は?

それでは「非認知能力」を育てるための具体的な方法はどのようなものがあるでしょうか?

それは、大きく分けて3つあるといわれています。

①周囲との関わりから学ぶ

②好きなことを通して学ぶ

③「遊び」を通して学ぶ

それぞれご説明させていただきます。

①周囲との関わりから学ぶ

「非認知能力」の中の社会的能力、対応力、セルフコントロールなどは「周囲の人との関わりから」学ぶことの多い分野です。例えば、お友達のことを考えてどうすれば喜ぶのかに頭を悩ませたり、協力して何かを作り上げていく過程で協調性や思いやりを学んでいきます。

また、それぞれの意見をぶつけ合ったり、失敗を経験する中からそれを取り返す方法や立ち直る力を身に着けます。

これらは「他者との関わり」の中でしか身に着けることのできない能力です。

②好きなことを通して学ぶ

子どもが様々なことにチャレンジするためには「好きである」ということが大切です。大人が「非認知能力」を伸ばそうと意識するあまり、子どもを誘導してしまうと、子どもは本当に好きなことを見つけることができなくなってしまいます。

そうすると、夢中になって何かに熱中する経験や、自分の中で必死に問題を解決する機会を失ってしまいます。

「非認知能力」を伸ばす上で大切なことは、子どもが自由に好きなことに熱中できる環境を作ってあげることです。大人としては、一つのことに集中してほしい…なんて気持ちもあるかもしれませんが、子どもはそれぞれの遊びを通じて様々な学びを行っているものです。

子どもが夢中になれるものを見つけるために、色々な玩具で遊ばせてあげたり、様々な場所に連れて行ってあげることで、子どもは夢中になれるものを見つけていくことができます。

もし玩具を買ってあげたくても場所が…なんて悩みをお持ちのようでしたら、玩具のサブスクなどを利用すると気軽に色々な玩具を試すことができるためおすすめです。






③「遊び」を通して学ぶ

子どもの「非認知能力」を育むためには様々な「遊び」を取り入れることがおすすめです。この「遊び」の中で大切なのは、子どもが自分で考える力を発揮できるように意識をすることです。

例えばプラスチックのコップやストローで何かを作ってみたり、落ち葉や木の実を食材に見立てて料理をしてみたり…子どもたちが試行錯誤をしていく中で想像力や創造力、忍耐力などの「非認知能力」を身に着けることができます。

また、初めのうちは単純な遊びだったものが年を経るごとに少しずつ複雑になっていき、段々と深く考える癖がつくようになっていくこともあります。そういった経験から、子どもは自分の能力を少しずつ深めていくことができるのです。

まとめ

幼少期から学童期は、人間関係や遊び、全てが子どもにとって初めて経験するものばかりです。そしてその初めてから子どもたちは少しずつ学び、自分の考えを育んでいきます。

もちろん勉強も大切ですが、それ以外の点数にすることはできない能力を伸ばしてあげることも子どもの人生にとって大切なことなのではないでしょうか。

家族や友達と楽しい時間を共に過ごす中で、少しずつ将来を豊かにする力を育んでいけるといいですね。






(参考)

embot|非認知能力とは?幼児期から学童期に育てたい「人生を豊かにする力」

ディズニー英語システム|赤ちゃんのときから育てられる!非言語コミュニケーションの力【英語教育コンサルタント・光藤京子先生】

杉村 智子氏|遊び場面における言語的・非言語的コミュニケーションの事例分析学習を通じた子どもの発達と援助の理解

Zhou, Kai. “Non-cognitive skills: definitions, measurement and malleability. Paper commissioned for the Global Education Monitoring Report 2016, Education for people and planet: Creating sustainable futures for all.” Chapter 13 (2016): 242-253.

Berrueta-Clement, John R. Changed Lives: The Effects of the Perry Preschool Program on Youths through Age 19. Monographs of the High/Scope Educational Research Foundation, Number Eight. Monograph Series, High/Scope Foundation, 600 North River Street, Ypsilanti, MI 48197, 1984.

Schweinhart, Lawrence J. Lifetime effects: the High/Scope Perry Preschool study through age 40. No. 14. High/Scope Foundation, 2005.

Heckman, James, et al. “Analyzing social experiments as implemented: A reexamination of the evidence from the HighScope Perry Preschool Program.” Quantitative economics 1.1 (2010): 1-46.

https://haruffy-consultation.com/child_iijuku/
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